ちょっとだけ美奈誕の続きっつーかなんつーか。
や、やっぱりね、ちょっと不憫すぎたかな!と思いまして。
続きからちょっと短いけど美奈亜美です。
「い、いふぁあいぃっ」
「……ほら、動かないの」
近づく顔と顔。
こんなに近くに彼女がいるのに、色気も何もあったものではない。
それというのも。
「うー……あみひゃん、いふぁ……」
「口動かさないの、こら」
下唇をしっかりと掴まれ、美奈子が動くたびに唇の皮膚が伸縮を繰り返す。
美奈子が怪我をしたのは自分のせいだから、と亜美が手当てを申し出てくれたのはありがたい話。
だが、二人っきりだと美奈子が喜べたのもつかの間のことだった。
傷があるのだから消毒すれば痛いのは当たり前だと亜美は言うのだが。
「う、うぅ……」
「はい、終わったわ」
脱脂綿で撫でられたあとから、鼻の奥につんとしたイソジンの臭いが広がる。
「亜美ちゃん、もうちょっと優しくしてくれても……」
「……ちゃんと消毒しないと膿んで腫れるわよ?」
「……でもぉ」
こうしてまめに亜美の元へ通っているせいか、今はまだ亜美の言う悲劇的な状況には至っていない。
そこまで腫れるのだろうかとも思ってみるが、それが現実になってしまったら怖いので亜美の言うとおりにしている。
「今のところ腫れてはないみたいだけど、まだ気は抜けないわね」
「うん……」
怪我に責任を感じてきちんと治療はしてくれるのはいい。
だが、それ以上どう転んでもいい雰囲気にならないのが悲しいところ。
「ねえ、亜美ちゃん」
「何?」
「……ねえってば」
「え……きゃっ」
淡々と救急道具を片づける亜美の肩をつかみ、無理やり振り向かせる。
一瞬、ぶつかる視線と視線。
突然のことに驚いたように見開かれる瞳。
その隙をついて亜美の着る制服のタイをつかみ、美奈子は彼女を一気に引き寄せた。
「……くッ」
美奈子の唇にあたる、ひやりとした感覚。
言うまでもなく、それは彼女の拒絶の印だった。
不本意ながら、どさくさにまぎれて彼女の唇を奪ってしまおうとしたのに。
「……美奈?」
「……はい」
「こういうことは……せめて許可をとってくれないかしら?」
口調は柔らかいのに、美奈子に向けられる笑顔は決して温かいものではなかった。
「う……ご、ごめん」
でも、亜美ちゃんが全然かまってくれないからぁ、と不平を言えば、見かねたように亜美が美奈子に向き直る。
「で?どうすればいいの?」
「だ、だから……えっと……」
さすがの美奈子でも面と向かってキスをしてくれなどと言う勇気はない。
しかも、先ほど拒まれたばかりなのだ。
亜美だって美奈子がしかけた行為の意味が分からないほど鈍感なはずはない、と思うのだが。
「……何?」
「う……だから……」
ちらり、ちらりと亜美の方に視線をやり、察してほしいという態度をとってみる。
しかし、亜美が気づいてくれる様子もなく。
「……キ、ス……とか」
しぼりだすように呟くと、返ってきたのは小さなため息。
やっぱりまずかったか、と美奈子はひそかに落ち込む。
いや、でも、正面切って言ったって受け入れられるはずがない、ような。
「美奈?」
「……はい」
「……今は、やめておいた方が良いと思うの」
「……へ?」
意外にも穏やかな声音に驚き、そして"今は"という言葉に美奈子の脳が反応する。
今は、ということならば。
後なら良いということなのだろうか。
亜美のことだからもしかしたら他の意味も混じっているかもしれない。
いやでも……と考えこむ美奈子の意識は、次の亜美の言葉によって現実に引き戻された。
「ただでさえ口の中は雑菌が多いのよ?これ以上増やしてどうするの?」
「……はい?」
予想外すぎる理由に、美奈子も思わず間抜けな返事をしてしまう。
口の中?雑菌?増える?
頭の中を?が飛び交い、やがて美奈子はなんとなく納得した。
美奈子が求めていたものより、亜美の想像の方が若干上だったということだ。
「えーと……亜美ちゃん?」
「何かしら?」
他のことが良い?と聞く笑顔には、それ以上何も言うことができなかった。
表面がちょっと触れるくらいでいいのにな、という言葉も。
恐らく、いつかそれを求める日が来た時には、予想以上のものを返してくれるだろうと期待して。
「……なんでもない」
「……そう?」
言ってから、ふと思いついたように頭の上にのせられる手。
それはゆっくりと、美奈子のそれを撫でていく。
「…………」
ほんわりとした笑顔を眺めながら、美奈子も同じように笑った。
若干中途半端な気もしますがこの辺で切っておこうかと思いますひるめです。
前回があまりにも美奈の扱いがひどかったので。
少し報われてもいいかなと……あれ、報われてない?
なんていうかね……亜美ちゃん、キスはでぃーぷだけじゃないんだよ!←
ばーどきすとかいろいろ段階があるんだよ!←
口の中に入っていくのは結構後の段階なんだよ!←
やるならかくてるきs(ry
この手の話になると、恐らく亜美ちゃんが一番強いんではなかろうかと勝手に妄想。
次は美奈とか。
レイちゃん……ってこういうこと苦手そうよね、なんていうかね。
でも、知識だけはがっつりありそうです。しないけど。
なんとなく知ってるけどしない、っていうイメージ。
まこちゃんが一番ウブっぽい気がするのは私だけかもしれない。
うさぎはね、もう純粋無垢でいればいいと思うんだ。
多少衛さんにいろいろされても、愛されてるーとほっこり受け入れてればいいと思うんだ。