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天高く

スポーツの秋!ということで、原作美奈レイで一つ。
あれ、最近美奈が多いな……。

普段より長いです。うん。







とてもすがすがしい青い空。
この時期の空がすごく遠くに見える理由を、亜美ちゃんに教えてもらった気もするけど。
……うん、ダメだ。全然思い出せない。
それに今は、空より重要なことがあるわけだし。

「おー美奈、はりきってるなぁ」
「もっちろん!今日はりきらなくていつはりきるっての?」

後ろから声をかけてきたのは、体操服姿のまこちゃん。
それより後方に、亜美ちゃんとうさぎの姿も見える。
はりきってる理由は一つ。
今日が、私が待ちに待った日だから。

「まあ、フィールドゲームだもんな、美奈が主役みたいなもんか」

まこちゃんの言葉に、私は親指をたてて答える。
そう、今日はフィールドゲーム。
縦割り&男女別チームで、クラス対抗。
バスケ、バレー、ソフトボールに分かれてそれぞれの種目で優勝が決まるという寸法。
私はバレー一択だったんだけどね。

「もち、優勝はいただきよ」
「ははは……あんまり無理するなよ?」

そう苦笑いするまこちゃんは、どうもバスケにエントリーしたらしい。
背も高いしバレーもいけるんじゃないかと思ったりするけど、バレーは美奈がいるから、だって。
気をつかわれたのかどうなのか。
いずれにしても、誰が相手だろうと本気でプレーはするつもり。
それが私のスタイルだから。

「で?亜美ちゃん達は何に出るの?」
「んー?ソフトだってさ」
「え、意外」

二人ともあまり運動は得意じゃない、という顔をしてるのに。
だったら強制的に個人が引っ張り出されるような競技って向いていないような。

「あの三つの中では一番なんとかなりそうだったんじゃないか?よく分からないけど」
「ふーん……そんなもん?」

まあ、他人のことは今更どうだっていい。
今日は楽しくやらないと、ね。


行けー!とか、入るよー!とか、ドンマイ!とか。
チーム競技ならなんだってそうなんだろうけど、そんな掛け声がコートの中にこだまする。
人の声援を受けることで、自分が声を出すことで、私は高揚していく。

「よーしっ!」

総勢十二チームで争われるトーナメント方式。
つまりは、負けたらそこで今日の試合は終わりってこと。

「愛野さーん、しっかりーっ!」

チームメイトである先輩から声がかかり、私は手を振って応えた。
大丈夫。
バレー部キャプテンの意地、しっかり示させていただきますとも。
鋭いホイッスルが鳴り響き、試合が始まる。
この瞬間が、一番好き。
身が引き締まり、世界が変わる。
そして私は。
一つのボールを追いかけるだけの獣となる。
さすがに高三の先輩ともなれば、身のこなしが違う。
私よりも大柄な先輩が打つ球は、やっぱり力だってあるけど。
……負ける気、しないわよ。

「美奈ーっ!いけーっ!」

ちらりと耳に入った声は、たぶんうさぎちゃん。
その声を聞きながら、でも私の視線には真っ白なボールしか映っていなかった。
レシーブが上がる、トスも綺麗な形、とくれば。

「てぇいっ!」

角度もある、スピードもある、そんなアタック。
それが相手コートを鋭くえぐる瞬間を見届けてから、私はガッツポーズをとった。
チームメイトがナイス、と笑顔を向ける。
そしてそれを見ながらも、さあまだまだこれから、と気を引き締めるのだ。
集中して、基礎的なプレーをする。
それが、たぶん勝つために重要なことの一つ。
バレーはやっぱり派手な前衛が目立つけれど、後衛がボールを拾ってくれなければ始まる攻撃も始まらない。
その点、私のチームは優秀だった。
まずは順当に、勝ち星が一つ。
うちのチームはシード権がないので、あと必要な勝利は四つ。
難しい数じゃない。
勝利を祝福するクラスメイトや先輩、後輩の顔を見ながら、私はどこか遠いところでそんなことを考えていた。

「美奈子ちゃんおめでとー!」
「おめでとう、美奈」
「えへへ、ありがと」

亜美ちゃんとうさぎにおめでとうと言われて、やっぱり悪い気はしないわよね。
あら、ところでまこちゃんは?

「あ、今体育館で試合中だって!」
「一緒に行かないかと思って」

あー、なるほどね。
……って、先に行ってても良かったのに。

「んじゃ、行きますか!」

亜美ちゃんが私たちを引き連れていったのは、照れ隠しの意味もあったんじゃないかと思ったりもしたけどね。
まあ、そこは空気を読むわよ、私だって。
愛の女神ですもの、ね。
ということで二人を引き連れて体育館へ向かうと、そこではやっぱり白熱した試合が展開されていた。
観客は邪魔にならないように、体育館の二階のテラスから応援する。
高一から高三までそれぞれのクラスに声援を送っている。
その中で、一際大きくて熱い声援を受ける人影が。
って、長身で栗毛色の髪にポニーテールって言ったら一人しかいないわよね、うん。

「おーい、まこちゃーん!」

大声で名前を呼ぶと、彼女はまっすぐに私たちを発見し、軽く応じてくれた。
さすがは170cm超の長身。
女性しかいないチームだから、余計にそれは目立っていた。
長い手足を活かして、コートの中を縦横無尽に駆け回る。
……台風といえばいいのか竜巻といえばいいのか。
その様子を見ていると、なんとなくまこちゃんがバスケを選んだ理由も分かった気がした。
バレーもバスケもチームプレーが基本だけど、個人の運動量が違うわよね。

「……やっぱ人気ねぇ」
「そ、そりゃあ……まこちゃん、だもの」

そう言って亜美ちゃんは頬を染める。
いやまあ……いいんだけど。

「あ、ほら、まこちゃん決めたよっ!」

ボールが空を裂く小気味良い音が辺りに響き、まこちゃんのガッツポーズが光る。
男子も真っ青なほどのダンクシュート。
その勢いは誰にも止められない。

「すご……」

本当に、その一言しか浮かんでこない。
バスケじゃやっぱり敵いそうにない。
その時、体育館の歓声にまぎれて進行の放送が入る。
そこで呼ばれるクラス名は、うさぎと亜美ちゃんのチーム、のような気が。

「ふ、二人とも、次試合じゃないの?」
「「え?あ、あぁっ」」

慌てたように顔を見合わせる二人。
って、二人とも忘れてたらまずいでしょ?
ぱたぱた駆けていく二人を見ながら、私はふむ、と考える。
このまままこちゃんの試合を見ててもいいんだけどな。
あ、そういえば、スポーツしてる亜美ちゃんとかも見てみたいかも。
どちらをとるかと考えて、ちらりと試合経過時間に目をやる。
そろそろ終わりそう、かな。じゃ。
結局私は、まだ熱戦の続く体育館を後にした。


ソフトボールと言えば、なんとなく一対一、っていう感じがある。
九人対九人ではあるけれど、ピッチャーとバッターの対決でもある。
二つのチームが向かいあい、試合前の挨拶。
亜美ちゃんとうさぎは同じチームなのね。
そして、二人ともポジションは外野。
あぁ、なんだか見ていて不安になってくるのは私だけ?
そんな中、審判がプレイボールを告げる。
一投目、そのボールは高く高く打ち上げられた。
これがきちんと練習したチームなら確実にアウトにできるんだろうけど。
……その大きなフライが落ちたのは亜美ちゃんの上。

「あ、亜美ちゃんっ」

次の瞬間、ボールは彼女のグラブにすっぽりと収まっていた。
亜美ちゃんが立っていた地点は、ボールが落下してきた場所と完全に同じだった。

「……おー。やるじゃん、亜美ちゃん」
「え?うわっ、まこちゃん」

試合が終わったばかりなのか、まこちゃんの頬は少しばかり上気していた。
雰囲気からすると、試合には勝ったのかしらね。

「亜美ちゃん、ボールが打たれてすぐに移動してた……よな?」
「そ、そうだっけ……」

それよりも、亜美ちゃんがボールを取れるかどうかが気になっていたから。
でも、まこちゃん曰く亜美ちゃんの行動は素早かったらしい。

「それって……ボールが打たれた時に、角度とかを計算したってこと?」
「さあ……でも、亜美ちゃんの脳なら不可能じゃない、かも」

まこちゃんの言葉を聞きながら、再び私は亜美ちゃんの姿に目を移す。
ボールが快音をたてて飛んでいく。
たぶん、ボールが飛ぶ方向を見極めてから動いたんじゃ取れない。
……つまりは、ヒットってやつ……なんだけど。

「う、おぉ?!」
「取っ……たよ」

亜美ちゃん、意外に運動神経いいなぁ、と呑気な声。
確かにセーラー戦士として活動する以上、常人よりも運動能力が優れていても不思議じゃない、けど。
え、本当に計算で動いてるって言うの?
それが真実だとしたら、亜美ちゃんって……一体。
なんて思ってる間にも、一回の表はすぐに終わってしまう。
やっぱり互いに素人だから、当たり損ないがヒットになったり、まぐれが重なって得点できたり。
どちらが勝つのかも予想がつかないまま、試合は九回を迎える。
二塁までランナーは進んでいるけれど、このランナーが帰るかどうか分からない。
そんな良い場面で、迎えるバッターは亜美ちゃん、だったりして。
やっぱりここも、計算で乗りきっちゃうの?

「おー、亜美ちゃん頑張れー!!」

大きな動作でまこちゃんが両手を振る。
こちらに向けられる亜美ちゃんの視線。
あ、真っ赤。

「ま、まこちゃん、あんまり派手な応援したらまずかった……んじゃ」

なんて言ってるそばから、打てそうなボールだったのに亜美ちゃんは空振り。
今までなんとかバットには当ててたから、完全な空振りはこれが初めて。

「あれ?亜美ちゃん、応援されるの苦手だっけ?」
「え?いやー……うーん……」

応援が苦手ってわけじゃないのよ、と言ってやりたかったけど、私は我慢した。
えぇ、そこは亜美ちゃんが自分で言わなきゃだめよね。そうよね。

「だ、大丈夫、じゃないかしら」
「そうだよね。亜美ちゃーんっ!次打てるよーっ!!」

あぁ、なんか亜美ちゃんの体が硬直してる気がする。
その後、亜美ちゃんは一度も打てないままに試合終了。
分かり易すぎる……分かり易すぎるのにどうしてこの二人はすれ違うのかしらね。


だけど、想いを寄せる人に応援してもらえるって、それだけで幸せだとは思うのよ。
バレーの試合中、誰かの応援中、ずっと思ってた。
そりゃあ見られて緊張する、とかあるとは思うけど。
それ以上に、うらやましい、もの。
まあ、学校が違うんだからしょうがない。
彼女は彼女で、今ごろ今日の授業をきちんと受けてるんだろう。
あの、涼やかな表情で。
だから、今日は絶対に勝つ。そう決めていた。
目指すは優勝。ただひとつ。
そして、その優勝をひけらかしに行くのだ。あの涼しい顔の真ん前に。
でも、私の悲壮な決意をよそに、案外楽に試合は進んだ。
まあ、向こうはそこまでいろいろバレーにかけてない、っていうのもあるんだろうけど。

「美奈子ちゃん、おめでとーっ!」

ぴょんぴょんとはねて喜ぶ様子は、やっぱりうさぎそっくり。
そんなうさぎに祝福されて、亜美ちゃんとまこちゃんからもそれぞれ労いの言葉をもらい。
なんだか振り返ってみれば、呆気なく私のフィールドゲームは終了した。
そして私は、念願の優勝という名目を手に、火川神社に向かっているわけで。

「レイちゃーん!」

その名を呼べば、彼女はごく自然に振り返る。
さらりと流れる黒髪は、本当に綺麗。あぁ、羨ましい人。

「……どうしたのよ、美……」

レイちゃんの言葉より先に、熱い抱擁をお見舞いする。
うん、今日も柔らかくて良い抱き心地で。

「今日ね、優勝したの。バレーで」
「……あぁ、フィールドゲーム?」

言いながら、でもレイちゃんはやんわりと私の腕を引きはがす。
今日も今日とて、つれないのも変わりないのね。

「って、美奈、学校から直接来たでしょう?」
「……や、まあ」

だって、一刻も早く顔が見たかったんだから。
仕方ない、じゃない?

「……シャワーでも、浴びたら?」
「え……臭う……?!」

そりゃ確かに今日は汗かいたけど!そんなはっきり言わなくても。

「いや、臭いなんて言わないけど……一息つくなら、汗ぐらい流してきたらって話よ」
「……それは……誘って――痛ッ」

バカなこと言ってんじゃないわよ、とレイちゃんは持っていた箒の柄で私の頭を叩く。
いや、痛いから。
わざわざ箒の柄の角なんて器用なところで叩かなくたって……。
ただ私は、レイちゃんに褒めてほしかっただけなのに。

「あのねぇ……別に、褒めないなんて言ってないでしょう?」

呆れた顔をしながらも、レイちゃんはちゃんと私を部屋にあげてくれた。
それから、私のために用意してくれていたというクッキーも御馳走になった。
なんていうか……私が来ることを見越してたみたいな準備の良さね。

「まあ、今日がフィールドゲームだっていうのは聞いてたから」
「でも、私が来るなんて予想できたの?」
「……別に。ただ、美奈ならちゃんと優勝して、嬉しげに報告しに来ると思って」

言ってこちらを見るレイちゃんの視線は、余裕たっぷり。
あー、まあね。
嬉しげかどうか分からないけど、結局私はレイちゃんの予想通りの行動を取ったということなのね。

「……おめでとう」
「う……ありが、と」

言いながら、ふと思う。
その一言が、レイちゃんから聞きたかった。
今日一日中、ずっと思ってた。
それを思って、レイちゃんがその一言を用意しててくれたなら、いいのにって。
そう、思った。






ぐはぁっ←
ひるめですこんばんは。
現在の脳内BGMはロンリーチャップリンだったりします。

最近、うちでもフィールドゲームがありました。
聞けば、こうやってスポーツ別に分かれてやるところもあれば、一つの種目で学年対抗とか、チーム対抗とか。
いろいろあるもんですね。
今回は、それぞれのキャラクターの個性を書きたくてこんな結果に。
なんだか亜美ちゃんがロボットのようだ←
まあ、初期設定サイボーグだったし……ダメか。
そんな亜美ちゃんがまこちゃんの声援一つで崩れてしまうとか結構ツボなんですけどね、なんだかね。

私のところはバレーボールのみで対戦するので、バレーのところは書きやすかったですね、うん。
あとのスポーツは全部想像です。
たぶん、実際にやったら勝手が違う部分も多々ありそう……ですが。
運動音痴なひるめですが、バレーはなんだかんだで楽しくやっていたりします。
そこまでうまくなくても、周囲がカバーしてくれるっていいよね!
逆に、チームメイトに恵まれないとプレッシャーでもう無理ってなりますけども。
美奈のフライング回転レシーブ(うろ覚え)も書いてみようかと思ったんですが、それに適した場面が思いつかなかったのでやめました。
同様に、低血糖で美奈がぶっ倒れても面白い(失礼)とは思ったんですが、やっぱり止めました。
本当に、収拾がつかなくなって困った困ったヽ( ´ー`)ノ
posted by ひるめ | 23:25 | 美奈レイ | comments(0) | trackbacks(0) |
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