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もしも、恋に落ちたら

まこちゃんメインだと言いながら、書きあげてみたらまこちゃん一つも出てない件orz

……SuperSのあの人とちびうさが登場。
内部百合以外は邪道だという方は回れ右でお願いしますm(__)m








昔は、空を飛べた気がする。
本当に飛べたわけじゃない、けれど。
昔は妖精だって、魔法だ手、ずっとずっと身近だった。
――もちろん、天馬も。

物語を紡いでいる間、それらはずっと私の中にいてくれた。
周りは早く大人にならなきゃ、と言ったけど。
大人になったら、私にかかった魔法は解けてしまうんだ、そう思っていた。


「これ、面白いよ……あんた、すごい才能持ってるよ」

そう言って、私の世界を照らしてくれた、彼女。
今までずっと、私の世界は私だけのものだと思っていたのに。
私は、知ってしまった。
世界を共有できる、私の世界を表現できる、そんな喜びを。
昔から私一人だけのものだった世界が、誰かに認めてもらえることが嬉しくて。
私はなんだか何かにとりつかれたでもしたように、それを吐き出した。
四〇〇字詰めの原稿用紙、いっぱいに。
まだ文章も上手くなくて、いろんな感情が入り混じっていた。
きっと、読み難かっただろうに。
彼女は、それをいやな顔一つせずに受け入れてくれた。
そして、文学賞に応募してみればいいなんて言いだす。
私はびっくりしたけど、大丈夫だよ、ってその一言だけで。
私はやれるかもしれない、なんて思ってしまった。


「あ、智子さん」

書店に並ぶ自分の本を見るのは、すごく不思議な気分だった。
そんな書店の前で、私は人を待っていた。
小さな、私の友人。

「久しぶり、ちびうさちゃん」

今日は一人なのか、とびきりのおめかしをしたちびうさちゃんは。
以前、私を励ましてくれた、大事な人の一人。
天馬が見えなくなって、何も書けない――絶望の中に在った私を、救ってくれた人。
そのことがあってから、ちびうさちゃんとはよく会うようになった。

「新刊読んだんだよ!」
「本当?どうだった?」

すごく面白かった、と目を輝かせて言うちびうさちゃんに、思わず頬が緩む。
こうして褒めてもらえるのは、とても嬉しい。
私の書いたものが、誰かを喜ばせることになるなら。
それ以上に幸せは、ない。
どこに行きたい、と聞けば、何か甘いものが食べたいという返事が返ってきた。
それなら、と歩きだすと、少し温かい手が私の手に繋がれる。
ちびうさちゃんから香るのは、まだ私が行ったことのない街の匂い。
まこちゃんが住む、あの街の。
行ってみたいとも思うけど、少し怖い。
私の知らない彼女が暮らす、あの街は。

「ちびうさちゃんは、小豆とか大丈夫?」
「うん、大好きだよ」

じゃあ、と私は少し奥まった道に入っていく。
小さな店だけれど、落ち着いた雰囲気のある場所。
私も煮詰まると、よくこの店に来ては一息入れたりする。
看板に跳ねるうさぎが、この店のトレードマーク。

「白うさぎっていう名前なの?」
「えぇ、素敵なお店でしょう?」

和風な小物で統一された店内に入ると、ちびうさちゃんの瞳は一際輝いた。
店の中は、どれも年季を感じさせるもので溢れている。
たとえば椅子一つとってみても、おばあちゃんが使っていたと言われても驚かないくらいに。

「いらっしゃい、智子ちゃん。今日は、小さなお客さんも一緒だね」

カウンターの奥で、食器の片付けをしていたマスターが声をかけてきた。
友達なんです、と言えば、ちびうさちゃんもどこかくすぐったそうに笑う。

「今の時間は空いてるからね。好きな所に座ってくれて構わないよ」
「いつも、ありがとうございます」

ぺこりと頭を下げて、窓際の席を選んだ。
少し奥まった場所にあるから、あまり陽は入ってこないけど。
窓から見る街の雑踏は、なんだか温かい気分にさせてくれる。

「どれにする?」
「うーんと……じゃあ、これ」

ちびうさちゃんが指さした先には、美味しそうなぜんざいの写真。
それじゃ私も、と同じものを二つ注文する。

「ここ、よく来るの?」
「うん……昔は、まこちゃんとも一緒に」

へぇ、と言いながらもう一度辺りを見渡すちびうさちゃん。
昔のことを、まこちゃんはあまり語っていないのかもしれない。
こうして昔のことを喋るたびに、ちびうさちゃんは初めて聞いた、と言うから。
そんなことを話していると、ほどなくしてマスターが二つのぜんざいを運んできた。
ただ、マスターが机に置いたのはぜんざいのお椀。
そして、透き通るような白さをした、小さな饅頭。

「……?これは?」
「いつも贔屓にしてもらってるからね、サービスだよ」
「うわぁ、美味しそう!」

昔も、よくこうしてサービスをしてもらったな、とふと懐かしさが脳裏をよぎる。
まこちゃんと過ごした日々が、なんだかずっと遠い昔のことのようで、ちくり、と胸が疼く。

「智子さんは、いつもここでお話を書いてたの?」
「そうね……ここ、落ち着くから」
「じゃあ、あの『月夜の天馬』も?」
「うん、そうね」

"月夜の天馬"は、今でも好きだと言ってくれる人がたくさんいる。
でも、あれを書きあげられたのは私だけの力じゃない。
むしろ、まこちゃんがいてくれた、から。
彼女のイメージがあったから、多分あの作品は完成させられた。

「すごいね、素敵なお話、いっぱい書けるんだもん」
「ちびうさちゃんは?」
「私は……ちょっと、苦手かな」
「そうなの?」

てっきり得意なんだと思ってた、と言うと、ちびうさちゃんはふるふると首を振った。

「あんな風に、誰かを感動させられるようなお話は書けないよ」
「そんなこと、ないよ?」

本当、と顔を上げたちびうさちゃんは、もしかしたら昔の私みたいだったかもしれない。
まこちゃんに出会って、"あんたはすごい"と評価された時の。
原稿を取られて、からかわれていた私を救ってくれた、彼女に出会った時の。

「……書いてみなくちゃ、分からないじゃない」
「そだね……私、頑張ってみる」

国語の宿題があるんだぁ、と笑うちびうさちゃん。
なるほど、突然振られてきた話題はそういうことだったのか、と納得する。

「でも、たくさんお話を作るのって、大変でしょ?」
「うん……楽なことじゃない、かな」
「じゃあ……どうしてあんなにたくさんのお話が書けるの?」

まっすぐな瞳に問いかけられて、私ははたと手を止めた。
どうしてだろう、そんなこと考えたこともなかった。

「……どうして、だろう」

呟いて、昔の記憶を手繰り寄せる。
天馬、魔法、妖精、神々……私の作品に出てくるものは、どれも。
見る人が見れば幼稚だと切り捨ててしまうようなものばかりだったけど、私は切り捨てられなかった。
どれも大切で失いたくないものだったから。
どれも、大事な私の宝物だったから。

「子どもの頃から、想像が好きだったから、かな」

言ってから、なんだか違和感を覚えてその言葉を取り消す。
だって私は、もう大人になってしまっていたから。
まこちゃんに出会った時、あの時既に、私は大人になってしまっていたのだから。

「……あ」
「どうしたの?」

ちびうさちゃんの問いが、どこか遠いところで聞こえる。
どうしてだろう、どうしてだろう、という思いがぐるぐるとかき混ぜられて。
一瞬、できた複雑な模様は、しかしすぐに消えていた。
あぁ、そうか。
……そういうこと、だったのか。

「……智子さん?」
「あ、ごめんなさい……考えこんじゃって」

難しい質問をしてしまってごめんなさい、と謝るちびうさちゃんに、大丈夫、と手を振って応える。
むしろ、今まで抱いていた思いに、思いがけず光が当てられたような、そんな錯覚にとらわれた。

「……恋、かな」
「え?……恋?」
「そう……恋を、し続けること」

意外そうな顔をするちびうさちゃんには、まだ"恋"なんて早いだろうか。
難しいことじゃない、でも簡単なことでもない。

「誰か、でも、何か、でも」
「恋を、するの?」

ゆっくりと肯定すると、なんだかよく分からないや、という反応。
そんなちびうさちゃんの様子にくすりと笑って、私は口を開く。

「ゆっくり、考えてみて」

その言葉の意味を、と付け加える。
うん、と素直に頷くちびうさちゃんが、やっぱりなんだか可笑しかった。

「……智子さんも、恋をしてたの?」
「今も、してるよ」


子どもの頃は、大人になったら魔法が使えなくなると本気で信じていた。
事実、魔法は使えなくなった。
不思議な世界も、今はうっすらとしか見えないけれど。
それ以上に素敵な魔法が、大人になってからも待っていたから。

これからも、きっと私は続けていくんだろう。
素敵な、恋を。






書きあげてみたらまこちゃんメインではなかった件。
どうも、ひるめです。
まこ智で書いてみたかったんですよ、うん。
でもまこちゃん一回も登場しなかった……あれ、どうした。
羊頭狗肉もいいところですね、申し訳ない。

まこ智というか、智→まこというか。
そんな雰囲気が、結構好きだったりします。
でも、この片思いは、全然薄暗い感じしないんですよね、不思議と。
むしろ、青春の淡い思い出としてずっと抱いて行きそうです智子。
ただ、彼女の詩人な感じが文章で全然出せなかったというね。
……智子の一人称はやりにくいですヽ( ´ー`)ノ

さて、彼女が登場したのはSuperSの第七話?だったわけなんですが。
あの話がまた大好きなんですよ(´▽`*)
何がって、まこちゃんが男男してないところですよ←
まこちゃんメインで男が絡まなかったのってこの話ぐらいなんじゃ……。
いえ、先輩追っかけてぽーっとなってるのも、それはそれで良いんですけどね。
智子のことを語るまこちゃんの目のキラキラ具合が可愛過ぎて死ねる←
posted by ひるめ | 16:32 | その他(セラムン) | comments(0) | trackbacks(0) |
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