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Let's wedding!

タイトルの英語がおかしいのは仕様です←

どうもひるめです。
ぽやーっとしていたら降ってきたネタで一つ。
美奈レイ、に見せかけてレイ美奈だとか。
ギャグ、に見せかけてそうでもなかったりとか。







「レイちゃん」
「何よ?」

名前を呼んだのに、向こうは顔を上げてくれさえしない。
まあ、それがいつものこと、なんだけど。
二人でいることに慣れてくれたのが嬉しいようでもあり。
だんだんマンネリ化してきている証拠みたいで悲しくもあり。
そんな私の心境なんて全く知らない顔で、レイちゃんは自分の世界を形成している。

「……レイちゃんてば」
「……何?」

頬杖をついた状態で、やっとレイちゃんは目を合わせてくれた。
片手はまだ、さっきまで読んでいた本を開いたまま。
私の話が終わったら、また自分の世界へ帰っていく気まんまん。
それが、なんだか気に障った。

「ねえ、聞いて」
「聞いてるわよ」
「ちゃんとこっち向いてよ」

言ってレイちゃんが持っていた本を引っ張ると、いかにも苛立った表情。
私の時間を邪魔するな、とでも言いたげ。
でも、大事な話なんだから。
……少なくとも、私にとっては。

「レイちゃん」
「……だから、何?」
「レッツウェディング!」
「……は?」

あれ、誘う時ってレッツじゃなくてシャルウィーだったっけ?
レイちゃんの鋭い視線がびしびしあたって、なんだか痛い。

「……シャ、シャルウィー……」
「……何が言いたいわけ?」
「え、あー……その」

この様子だと、ちゃんと通じてなかったのかしら。
でも、レイちゃんって英語の成績は悪くないはず……。
そんなことを考えていると、ぱしん、と頭をはたかれた。
ついでに、レイちゃんから奪った本も奪い返された。

「え、ちょ」
「オランダでもベルギーでも行けば?」
「……新婚旅行?」

呆れたようにため息をつかれた。
私はいたって真剣、なんだけど。

「同性婚を認めてる国」
「そ、それ本気?私と行ってくれるの?」
「……どうしてそうなるの?」

あー、違う。何か違う。
何この距離感。
だってさっき、私はちゃんとしたでしょう、プロポーズ。

「あれ、本当にプロポーズだったのね……」

英語が無茶苦茶すぎて分からなかったわ、とレイちゃんから漏れる苦笑。
そ、そんなに無茶苦茶だった?私の英語。

「せめて日本語で言えばいいのに」
「だ……だって、そんなの恥ずかしすぎるでしょうが!」
「……あんたにも恥じらいなんてあったのね」

ちくり、ちくり、とレイちゃんの言葉が心に刺さる。
なんでだろう、もうちょっとスマートな感じを目指してたのに。
思い描く未来は、往々にして実現しない。

「と、とにかく!ウェディングよ、ウェディング!レッツウェディング!」

私のこと好きでしょ!と直球の言葉を投げた。
そうね、とレイちゃんが笑ってくれたら、まあそれでもいいかな、と思ってた、けど。

「……そりゃまあ、嫌いじゃない、けど」

ちょっと待って、その程度なの?
レイちゃんにとって、私って。

「え、それだけ?」
「そんなことより、勉強したら?」

そろそろ受験でしょう、とこれまた痛い言葉。
さっきとは別の角度からだけど、やっぱり私の心はささくれ立つ。
確かに、それはそうだけど。
こういう時、エスカレーター式に進学できる人は羨ましい、と思う。
うちにはレイちゃんみたいなブルジョワちゃんが行くような、そんな学校に行くだけのお金なんてないけど。

「この前のテスト、亜美ちゃんがため息ついてたわよ」
「う……それは」
「バカなこと言ってないで、少しは努力しなさいよ」

もう冬休みでしょう、とレイちゃん。
ということは、そろそろ受験の本番も近いということ。
分かってる、分かってるんだけど。
そんなことは、今どうだっていいのよ!

「ちゃんと聞いてってば!」
「レッツウェディング?」
「そう!」

やれやれ、とレイちゃんは肩をすくめる。
え、なんで?私変なこと言ってないでしょ?

「そんな先のことより、数カ月先のこと心配しなさいよ」
「だから!本気なんだってば!」
「……それは分かったから」

そう言うレイちゃんの視線は、もうさっき読んでいた本に戻っていた。
つまり、私の話はそう大したことじゃない、そう判断されたってこと。
……そういう、こと。

「……レイちゃん」
「私、今日美奈が勉強するって言うから部屋に入れたんだけど?」

今度こそ、とどめの一撃だった。
レイちゃんと一緒がいい、という私に対し。
美奈は私といると勉強しないでしょう、とレイちゃん。
どうしても、と頼み込んだ結果、レイちゃんが折れてくれたのが今日なわけで。

「勉強は、ちゃんとするから」
「信用できない」

さっさと終わらせなさいよ、と言うレイちゃんは、やっぱり自分の世界の中。
おとなしく勉強しなければ、そこから出てきてくれることはないみたいに。
こうなってしまったら、おとなしく勉強する以外に道はない。
一つ、小さなため息をついて、私は再び持っていたシャーペンを握り直す。
xとかyとかzとかが乱舞するノートは、見ているだけで頭が痛くなった。
いつもそうだけど、やっぱり数学とはお友達になれそうもない。
数式がうまく頭に入ってくれない。
授業でやったはずなのに。
亜美ちゃんにも教えてもらったはずなのに。
いっそレイちゃんに泣きつこうかとさえ思ったけど、今声をかけたら本気で怒られそう。
ぱらり、とページがめくられる微かな音がした。
そっと盗み見れば、私のことなんて全く気にもかけず本を読んでるレイちゃんが映った。
細くて長い指、とか。
さらさらと流れる綺麗な髪、とか。
どうしようもなく胸が高鳴る。
それらを見つめて、軽く触れて、それだけでよかったはずなのに。
いつの間にか、それだけじゃ飽き足らなくなった自分がいる。
いつも私の方が求めるばかりで、レイちゃんはどうなんだろう。
ふと思って、自分の手元に視線を落とす。
決して、自分の体にコンプレックスを抱いているわけではない、けど。
この世にルックスの平均値、なんてものが存在するのなら。
平均よりは少し上、だと思う、けど。
それじゃ全然ダメ、なのかな。
レイちゃんは、求めてくれない、のかな。
嫌いじゃない、けど、好きでもない、のかな。
……私はこんなに、真剣なのに。
そう思った瞬間、よく分からないけど何かがこみ上げてきた。
やばい、と思ったのと、視界が潤んで霞んだのは同時。

「……ぅ……ぇえ……」

瞼から、何かこぼれ落ちて行く。
それは、思いがけないほど軽い音を立てて、ノートにぶつかった。

「……え、ちょっと、美奈……?!」

見なかった振りをしてくれればよかったのに、とちらりと思った。
顔が上げられない、レイちゃんの顔を直視できない。
今、どんな顔をしてるんだろう。
どんな目で、私を見てるんだろう。

「……放っ……とい、てよぉ……」
「……バカなこと言ってる場合じゃないでしょう?」

机の向かいから、そっとレイちゃんの気配が近づいてくる。
情けなくて、仕方がなかった。
何やってるんだろう、私。

「ほら、ハンカチ」
「……ごめん」

視界の横から差し出されたそれを、素直に受け取って頬を拭く。
ちょっとだけクリアになった視界に、ところどころ小さな水溜りができたノートが映った。

「……美奈」
「……私、本気よ?」

レイちゃんが何か言いかけたけど、構わない。
なんだか、いろいろ切羽詰まってる。

「本気なのよ……ッ!」
「分かってるわよ、そんなこと」
「へっ……?」

私の告白を、あっさりと受け止めてレイちゃんは笑う。
こっちは痛いほどに心臓が脈打っているのに、レイちゃんはあくまで自然体。
いつものように涼しげな笑顔で、私の頬を撫でて。

「Will you marry me?」
「……な……あ?」

耳元で弾ける言葉は、私の英語力でもなんとか聞き取れた。
……ちゃんと、聞き取れた。

「……プロポーズするなら、ちゃんと調べてきなさいよ」
「あ……ちょ、ちょっと待って、もう一回」
「……や、やらないわよ」
「なんで?もう一回!ちゃんと聞くから!」

誰がそんな恥ずかしいこと、という言葉に振り返ってみる。
あ、赤い顔。

「……照れてるの?」
「……そうかもね」

ちょっとだけ余裕を失くしたらしいレイちゃんは、背中を向けたままそう言った。






「……ねえ、私たくさん子ども欲しいなー」
「……あんたねぇ」
「親子でバレーボールできるくらい!」
「なッ…………」
「あれ?レイちゃん?レイちゃーん?」
「……それ、誰が産むの?」
「あー……レ」
「別れていいかしら」






どうも、ひるめです。
最初は、ギャグでも書くかーと書き始めたはずだったんですが、なんだかしんみりしてしまいました。
本命は一人だけだけれど、普段が普段だけになかなか本気だと思ってもらえない美奈子。
そんな話が書きたかったようです(他人事
美奈は余裕そうに見えて、相手から何のアクションもないと内心不安になっていそうです。
甘えたいけど、たまには頼られたいという感じで。
まあ、自分から行動を起こすばかりだと、不安になるのは皆同じかもしれないですが(かく言う私もその一人
レイちゃんはそこまで分かってて、ポーカーフェイスで受け止めているんだといいんですけどね。
ただ、ポーカーフェイス過ぎて美奈には受け流されているようにしか感じなかったりするのかもしれませんヽ( ´ー`)ノ
posted by ひるめ | 15:51 | 美奈レイ | comments(0) | trackbacks(0) |
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