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con moto
どうも、ひるめです。

なんと……なぜか降ってきてしまったひびかな。
スイプリですよまだ1話しか見てないですよ(え

恐らくいろいろと想像が混じっているので注意。 






こそこそ、こそこそ、とまるで忍者にでもなったような気分でそこに忍びよる。
放課後、夕日に染められた調理室の中に、響の姿はあった。
もう少し、あともうちょっと……。

「よっ!」
「……あ!っこら!」

素早く机の上に並んでいたそれをかすめ取ると、いち早くそれに気づいた奏の声が響を責める。

「ちょっと響?!勝手に取るなって何度言ったら……!」
「あは、だって部活の助っ人でお腹ぺこぺこなんだもん!」

響は毎日いろんな部活に引っ張りだこであり、今日はバスケ部の助っ人。
激しい運動の後、消耗した体力はいつもの比ではない。
こういう時、便利なのがすぐにエネルギーの元になる甘い物である。
手に取った菓子は、恐らくカップケーキ。
追いかけてくる奏の腕をすり抜けて、響は素早くそれを口に運ぶ。

「あぁっ、もう!」

やられた、と肩を落とす奏の横で、響はその柔らかな甘さをゆっくりと味わった。
抹茶風味のケーキは口の中でほろりと崩れ、苦みと甘みが程良く溶けあう。
菓子を作らせたら、この学校で彼女の右に出る者はいない、と響は改めて思う。
もしかしたら、几帳面な彼女の性格が、きちんとした工程が必要な菓子作りに向いているのかもしれない。
ただ、その細やかな味の中で、普段とは違う味に響は気づいた。

「……あれ?」

いつもの彼女の菓子を思えば、なんとなく今日の物はあか抜けていないような印象を受ける。
決してまずいわけではない、むしろその辺で売られている物よりも質は高いはず、なのに。

「んー……なんか甘すぎるような……奏、今日どっかミスったの?」

指に付着した砂糖を舐め取りながら、響は奏に問う。
彼女にしては珍しく、何か分量でも間違ったのだろうか。
響は何でもないことのように聞いたつもりだったのだが、その問いを聞いた瞬間に奏の動きが止まった。

「あ……どうし――」
「……だから勝手に食べるなって言ったのに……!」

突然何かが弾けたように、奏が声を荒げる。
普段は物静かな奏のその様子に、響は驚いて後ずさった。

「え、何?何か悪いこと言った?」
「もういいから!……さっさと帰ってよ!」
「ちょ、え?どういうこと?」

響からしてみれば、奏に怒られる理由が分からなかった。
ただ単に、感じた違和感をそのまま口にしただけの話なのだから。

「ちょっと待ってよ!何その態度!」

それなのに、ここまで怒られるなんて訳が分からない。
確かに勝手に菓子をつまんだことは怒られるべきことであろうが、彼女が今響に向けている怒りは、それだけが原因ではないような。

「響が悪いんでしょ?!あーもう!」

また作り直さなきゃ、とかなんとか不平を言いながら、響にちらりと向けられるきつい視線。
それに対抗しようと、響も奏を見据える。
だがその時にはもう、奏はがちゃがちゃと片付けを始めていて、その態度が更に響を苛立たせた。

「……いいよ、奏なんて知らないから……!」

言い捨てて、響はそろりと調理室を後にする。
そっと盗み見てみても、やはり奏は響などいないかのように、目の前の器具の整頓をしているだけだった。



次の日、教室に入った響は、その雰囲気がやけにざわついていることに気づいた。
朝だから、ということもあるのだろうが、普段はもう少し落ち着いているはずだ。
その原因は、恐らくあちらこちらでかわされているひそひそ話のせいだろう。

「……何かあったの?」

隣のクラスメイトに話しかけると、あれ、知らないの、といった反応。
南野さんの友達なのに?と付け加えられた言葉に、響の心が不意に疼く。

「奏がどうかしたの?」
「んー、なんか全国パティシエ選手権に選ばれたって話よ」

クラスメイト曰く、その大会は世界大会まである大規模なもので、オーソドックスなスイーツと、創作スイーツの二つで評価されるらしい。
そして、そこで認められればそれは大きな名誉なのだという。

「南野さんって、本当何でもできるわよね」

羨ましい、と笑いあうクラスメイトたちはあくまで呑気だ。
口ではそう言っていても、実際に奏みたいになりたい、だとかそんな話ではない。

「……でも、ここだけの話……悩んでるっていう噂よ?」
「え?奏が?」

低い声で囁かれた噂に、響をはじめ他のクラスメイトたちも意外そうな表情。
そうだ、奏は何でもできて、悩みなどなさそうなものなのに。

「あ、それ私も聞いた!放課後一人でずっと残ってるってやつでしょ?」
「そうそう、朝も早く来てるんだってー」

これはただの噂でしかない、皆の勝手な憶測でしかない。
それでも、その言葉に昨日の奏の様子を思い浮かべる響がいた。
悩んでいる?奏が?一体何に?

「……あー……ちょっと行ってくる」
「え?どこに……って響?」

気になり始めると、なんだか止まらなくなった。
奏のことなど知らない、と昨日宣言したはずなのに。
けれど、彼女が悩んでいると聞いて居ても立っても居られない自分だって響の中に存在した。
ぐちゃぐちゃと思案するのは性に合わない。
だったら、本人に会って確かめるのが一番早い。
勢いこんで飛び出し、調理室に飛び込みかけて響はふっと立ち止まる。
昨日の今日で、どんな顔をして会えばいいというのだ。
いやでも、と響は扉の前で首を振る。
悪いのは向こうだ、自分は悪くない、なのにどうして自分がこんなに心を煩わせているのだろう。

「あら……北条さん?」
「え?あ、えーと……部長さん?」

響が扉の前でぐずぐずと迷っていると、いきなり背後からかけられる声。
慌てて振り返ってみれば、それは奏が所属するスイーツ部の部長だった。

「どうしたの、こんなところで」

さてはまたつまみ食い?とからかうように笑う部長に、響はあはは、と苦笑するしかなかった。
まさか奏のことが気になって、とは言えない――否、言いたくなかった。

「ちょっと……通りがかったもので」
「あらそうなの?北条さんなら、もう来てると思うけど……」
「い、いえ!本当に通りがかっただけですから!」

これ以上ここにいては、何を詮索されるか分からない。
とりあえず、教室に戻ろう……。
曖昧な笑みでその場を濁し、立ち去りかけた響だったが。
背後からぐいと引っ張られた制服に、否応なしに引き戻される。

「ちょ、ちょっと……何するんですか?」
「ううん……まあ、ちょっと立ち話くらいいいでしょう?」

ふんわりと、まるで菓子のような甘さで笑う部長に、響はその真意が分からず戸惑った。
一体目の前の彼女は、何を言い出そうとしているのだろうか。

「あれでやっぱり、悩んでるのよね、あの子も」
「あー……悩んでる、ですか」

ということは、クラスに流れていた噂は間違ってはいなかったらしい。
珍しいな、と頭の片隅で思いながら、響は部長の言葉に生返事を返す。

「そう、案外、冒険するのが苦手みたいでね」

思いきってやればいいのに、なまじ賢いからそれもできないのね。
そう言う部長の瞳はどこまでも温かい。

「それがね、貴方といる時はすごく楽しそうなのよ。大声なんか出しちゃって」
「え゛っ……?楽しそう、ですか?」

それは嫌がっている、の間違いではなかろうか。
顔を見れば喧嘩をする仲なのに。
部長の言葉はいちいち何か含みがあるようで、響の頭がだんだんとこんがらがっていく。

「あら……でも、本当に信頼してなかったら、苛立ちをぶつけることなんてできないわ」
「信頼?奏が?冗談言わないでくださいよ」

ばかばかしい、と手を振る響に、しかし部長は真剣な瞳をしたまま言葉を継いだ。

「……本人は、案外気づいてないのかもしれないわね」

でも、と部長は響の両手を掴んで。

「今のあの子には貴方が必要。それは、私にだって分かるわ」
「……まさか」

そんなはずはない、昨日だってあんなに怒られたばかりなのに。
そんな時に聞こえたガシャン、という甲高い音に、響は思わず調理室の方を振り返った。
続いて聞こえるのは、いつになく沈んだ奏の嘆くような声。
それは、あの彼女が相当煮詰まっていることを示しているようで。

「え、と」

ん?と顔を傾ける部長に、しかし響は次の言葉が出ない。

「あ、あの……私……」

行くべきか、行かざるべきか。
励ましに来たなんて言えば、彼女はまたとげとげしい言葉を吐くかもしれない。
だが、何もしないまま沈みこむ彼女を見るのは、もっと辛いだろうと想像できた。
だからそんなの決まっている。考えるまでもない。

――ここで決めなきゃ、女がすたる……だよね。






どうも、ひるめです。
1話だけを見た時点でのひびかな。なんだろう……すごく危険な気がしますヽ( ´ー`)ノ
まだあまりキャラクターの性格がつかめていない段階で書いてしまうとダメですね、本当。
pixivにはあげていたのですがこちらにあげる勇気が出なくてずるずると5日くらい開いてしまいましたヽ( ´ー`)ノ
そういえば最近なぜかハトプリが熱い……どうしてだろう← もしかしたら次はももゆりかもしれません←
posted by ひるめ | 22:23 | その他(プリキュア) | comments(0) | trackbacks(0) |
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