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君の瞳に乾杯

どうも、ひるめです。
なんとか間に合った……よかった……!

(*´ー`)/レイちゃん誕生日おめでとう\(´▽`*)







なんとも言えない疲労感と倦怠感。
先ほどまで自分がいた喧騒を思い、レイはそのまま自分のベッドに崩れ落ちた。

「……疲れた……」

深い息を吐くと、やっと体の緊張がゆるりと解けていくような感覚を覚えた。
突然うさぎに呼び出され、一体何の用だろうと向かったクラウン。
その中に作られたルナカラでレイを待っていたのは、キラキラと飾りつけられた室内。
それから、クラッカーの弾ける音、ハイテンションなうさぎたち。
何事かと問えば、今日はレイちゃんの誕生日でしょ?と当たり前のように返されて。
自分の誕生日を祝う会が今から行われるのだ、と理解するまで、レイは数秒を要した。
あまりに不意打ちすぎて、すぐにはドンチャン騒ぎに参加しようという気分にもなれない。
そんなレイだったが、うさぎたちの行為は素直に嬉しかった。
昔なら、くだらないと切り捨てたかもしれないような、言ってしまえば馬鹿馬鹿しい時間。
それでも、今はこんなにも大切に思える。
半ば押しつけの様な形でのプレゼントを受け取り、うさぎたちの熱唱を聞いて。
まことの手製だというケーキと共に、「Happy Birthday to You」まで歌われてしまっては敵わない。
結局ずるずると彼女らに付き合い――のせられてカラオケで一曲歌う羽目にもなり――帰路についた時には、既に日も傾きかけていた。
この時期は日が長くなってくるとはいえ、学生が出歩くには少し遅い時間帯であることに変わりはない。
そんなわけでレイは、幸せな気分に包まれたまま家に帰りついた。
ただ、問題が一つ。
レイはお世辞にもこういったことに普段から慣れている、とは言い難い。
そのせいなのか、どんなに楽しい経験であっても、疲労はそれと関係なくレイを襲うのだった。
しかしその疲労や倦怠感は、決して不快なものではない、
以前のレイの価値観ならば、疲れることと嫌いなもの、はイコールで結ばれていたはずだった。
くだらないこと、馬鹿馬鹿しいこと、つまらないこと。
どれも、言葉で形容すればマイナスのイメージがつきまとうのに。
不思議なことに、そのどれもが今は大切だと思える。
変われば変わるものね、なんて一人で思いながら、レイはそろりと寝がえりを打つ。
このまま眠りについても良いくらいの気分だったが、さすがに出かけたままの格好ではまずいだろう。
そう思ってゆっくりと起き上ったレイは、しかしそこにいるはずのない人影を認めて動きを止めた。

「……な」
「あら、ハロー?」

言いながらひらひらと手を振る彼女は、いつものように妖艶な笑みを浮かべていて。

「……ハロー、じゃないでしょう」
「だって……ねぇ」

レイったらいつになく幸せな顔してるんだから、とまで言われては一体どこからいたんだ、とつっこみたくもなる。
しかし美奈子はそんなレイになど構う様子もなく、ずかずかとレイの部屋にあがりこむ。

「ずいぶんと愛されてるみたいだけど?」
「……だったら何?」

からかうような美奈子の表情。
だが、ここで感情的になっては美奈子の思うツボだということを、レイは知っている。
だてに今まで一緒に過ごしてきた――一方的に絡まれただけともいうかもしれないが――わけではない。

「いや……なんだか丸くなったな、って思って」
「……何よそれ」

レイにしてみれば、そんなに以前からとんがっていたつもりもないのだが。
美奈子に言わせれば、ナイフみたいだった、らしい。

「ま、久しぶりに会って機嫌が悪いのも困るんだけど」

言いながら、美奈子はレイの横にするりと滑り込む。
そのままわずかに預けられる体重。
仕事から直接やってきたのか、美奈子から香り立つのは少しだけ大人びた香水の匂い。

「……何か、あったの?」
「あら、理由がなきゃ来ちゃいけないの?」
「そういうわけじゃないけど……」

美奈子がこうやってレイの元に現れるのは、何かしらの理由を抱えている時だった。
たとえそれが、取るに足らないほんの些細なことであったとしても。

「あ、そうだ」

そんなことをぐちゃぐちゃと考えているレイの横から、不意に離れていく温もり。
美奈子の行動は、予測がつかない。
いつだって、自由奔放で、捉えどころがなくて。

「マーズ、来て?」

縁側に腰かけた美奈子は、そのままレイを手招きする。
その手には、彼女が持ってきたらしいビニール袋が一つ。
言われるがままに傍までいくと、美奈子はぽんぽん、と彼女の隣のスペースを示す。
座れということだろうか、レイがそれにおとなしく従うと、美奈子は満足げに笑った。

「……何?」
「いつも、思ってたんだけど」
「え?」
「ここって、すごく大きな桜の木があるのね」

あれ、と美奈子の指が差しているのは、神社の裏に生えている桜の木。
春になると、いつも満開の花をつけるその木は、しかし表からだとなかなかに見つけにくい。
見つけるためには神社の奥の方まで入る必要があるが、そんな人間もほとんどいない。
結果的に、近隣の住民しか知らない隠れた桜の名所、とでもいうような場所になっているわけで。

「あぁ……掃除、大変なのよね」

確かに綺麗だとは思うが、レイの中ではそちらの方が先に思いつく。
桜の花びらも、空中に舞っている間は綺麗だが、落ちた後はその軽さと量のせいで掃くのも一苦労なのだ。
強い風でも吹こうものなら、新しく散るものと既に地面に落ちたものが混ざり合い、再び掃かねばならない。
かといって、放っておけばどんどんたまっていく一方。
そんなわけで、レイの口から出たのは、経験からくるドライな感想の方だった。

「マーズって本当に面白いわね」
「……本当のことを言ったまでよ」

綺麗か綺麗でないかと問われれば、綺麗だと思うのだが。
現実的なことを考えれば、手放しで愛でる気にもなれない。

「まあ、今日くらいは……ちょっと好きになってあげてもいいんじゃない?」
「え?ひぁっ?!」

予期せぬ頬への冷たい刺激に、レイの体が跳ね上がる。
何をするのよ、と避難の意味もこめて横目で見れば、美奈子の手の中にあるのは明るい色の缶。
はい、と手渡され、文句の一つでも言おうと思っていたレイの勢いはそこでそがれてしまった。

「……ジュース?」
「そ。……一応言っとくけど、変なものは入ってないから」
「……入ってたら、それはそれで問題だと思うけど」

言いながら、かしゅ、とプルタブを開ければ鼻の奥をりんごの匂いがかすめていく。
懐かしい匂い。
幼い頃、たまに母親が買ってきてくれたそれを思い出す。
不意に物思いにふけりそうになったレイの意識を、かちん、という軽い音が現実に引き戻す。

「乾杯」
「……乾、杯」

さっきまで香っていたりんごに、微かに混じるみかんの香り。
何に乾杯なのかよく分からないが、それでもいい。
この桜を愛でたくなったのだろうか、それとも。

「それと……誕生日おめでとう、かしら」
「……え?」

期待していなかった言葉に、指が震えて再び缶と缶がぶつかって音を立てる。

「ふふ、マーズ、すごく間抜けな顔してるわよ」
「あ、え……だ、だってそれは」

あなたが原因でしょう、とは言えなかった。
その言葉が嬉しくてしょうがない、と言っているのと同じようなものだ。
わざわざ美奈子に握らせることもない。
握らせるのも、口惜しい。
しかし美奈子の言葉に動揺してしまった時点で、レイは美奈子に主導権を渡してしまったのも同然だった。

「私は……こんな風に桜を見るのも、好きなんだけど?」

いつの間にか、とっぷりと暮れた闇の中。
白い桜の花びらだけが、風に吹かれて舞い遊ぶ。
あなたは、と聞かれた気がして、レイは改めてその風景を見つめた。

「……嫌い、じゃないわ」
「そ?よかった」

満足げに笑って、美奈子は持っていた缶に口をつける。
それに倣って、レイもジュースを一口。
花見酒、ならぬ花見ジュース。

「大人になったら……今度は、本当に花見酒しましょう?」
「……そう、ね」

また、この場所で。
そんな美奈子の思いが言外に見え隠れし、レイはゆるりと頷く。

「……まあ、私は花より団子……だと思うけど?」
「え……?!」

桜を眺め、ほっこりとしていたレイの背筋が、ひやりと冷える。
空いていたレイの手に、美奈子の手が重ねられ。
ぎゅっと掴まれる手に、レイはどきりと身を震わせた。

「……団子の用意なんて、ないんだけど」
「いいわよ、勝手に食べるから」
「ちょ、あぁっ」


――りんごとみかんは、意外によく合うかもしれない――。

だんだんとぼんやりしていく意識の中で、レイはふとそんなことを思った。






続きはありませんすいません脳内補完でお願いいたします←
どうも、ひるめです。
花見酒って一度やってみたいなぁと思っているものの一つだったりします。
両親ともにお酒に弱いので、私もきっと弱いとは思うんですが。

なんだか新学期が始まってからというもの、いろいろと慣れないことがたくさんありすぎてプチパニックを起こしております。
しかしレイ誕だけは、はずしてはならんだろうと。
最初が子どもの日ネタだったので、去年の今ごろはまだ二次創作には手を出してなかったんでした。
ということでレイちゃんだけSS書けてないんですよね……。
でも内心レイちゃんは美奈の瞳には確かに完敗だろうなぁなんて結構くだらないことを考えながらつけたタイトルだったりしますヽ( ´ー`)ノ

拍手の方もどうにか完結させたいなぁと思っております。潜る前に。
posted by ひるめ | 21:45 | 美奈レイ | comments(0) | trackbacks(0) |
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