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1+1
どうもひるめです。
(そろそろタイトルかぶりとかやらかしそうで怖い今日この頃…)

短めの雰囲気だけのまこ亜美。






一日中、何も予定のない日。
どこか出かけようかとか、何をしようかなんて話をした気もするけれど、カーテンから零れ落ちた朝に全てかき消されてしまった。
朝には弱い亜美はまだ腕の中で丸まっていて、鼻先にあたる柔らかい髪の毛がくすぐったい。
しかし、起こしてしまうかもしれないと思うと、体勢を変えることもできない。
結局、空いている方の手で、その髪を撫でつけるだけに留めた。
それさえも、きっと軽い彼女の髪の毛のこと、すぐにまたゆるくカーブを始めるのだろうけれど。
そのくすぐったさもどこか嬉しいと感じるようになってしまうのだから、不思議なものだと思う。

かち、とアナログな時計の針が歩を進める音がした。
視線だけで確認した時計は、いつも起床する時間までかなりの猶予があることを示している。
ベッドを抜け出して朝食の準備を始めても良いが、今はこの体温を離すのが惜しかった。
ちゃんと起きている時だって甘えてくれないことはないが、こんな風に抱きしめさせてくれることは少ない。
もうそろそろ甘えることに慣れてくれたって良いのに、という思いはただのエゴと紙一重。
だから、今だけは。
ゆるゆると髪の毛を撫でていた手をそっと背中に添わせると、何かが当たる感覚はあるのか彼女が軽く身動いだ。
ただ、意識は相変わらず夢の中を彷徨っている様子で、覚醒しそうな気配はない。
薄着だったまことの首筋を抜けていく彼女の吐息は、まことの鼓動を嫌でも早めた。
襲っちゃうぞ、なんて物騒なことを思いながら、その実そんな行動力もないまま。
まことにできたことと言えば、抱く腕の力を僅かに強めることだけだった。
何をするでもなく時間は過ぎていくし、亜美はまだ起きる気配がない。
学校がある日なら起こしても良い、けれど今日は何の予定もない日。

何もない日――何もしない日。

このまま怠惰に昼過ぎまで横になっていたって良い、誰も止める者はいないし、誰も咎めやしない。
そんな日があってもいいじゃない、とまことは思えるけれど、腕の中の彼女はどうなのだろう。
一日を無駄にしちゃったわとか、勉強ができなかった、なんて嘆くのだろうか。
そうなったら、熱い紅茶でも淹れて、とっておきのクッキーでもお供に二人でゆっくりソファに沈もうと思う。
そうしているうちに彼女の眉間の皺はきっと消えるだろうし、どうでも良いことで笑い合えると思う。
何かもにゃもにゃと亜美の唇から音が零れる。
寝ぼけているのだろうか、それは意味を解せるようでいて、結局のところ意味などないのようでもあった。
どんな夢を見ているの、と語りかけるように独り言のように呟くと、彼女の細い指がまことの肩先を掴んだ。

「亜美……ちゃん?」

たまらず呼んだ名前に、返事はなかった。
起きてはいないらしいが、それにしたってどうしたのだろう。
その指に応えるように自身の指を絡ませると、何かに安堵したのか吐息がふっと深くなった。
昨日、薄闇に包まったままで交わした会話が不意に蘇る。

子守唄、と亜美は言った。
子守唄、とまことは返した。
懐かしい響きだと思ったけれど、それを聞いたという確かな記憶は悲しいかな存在しなかった。
歌えるのだから、聞いたことはあるはずだ、そう思ってもその記憶は思い出そうとして掴みきれない夢のようなものだった。
歌ってほしいの、と彼女が言うからには、きっと何かが理由があるのだろうと思った。
たとえば、何かほんの些細な出来事が、胸に刺さったままなのだとか。
話すも話さないも彼女の自由、聞かせてくれるというのなら、いくらだって受け止めるつもりでいた。
その夜、彼女は話さないことに決めたようだったから、まこともそれ以上深追いはしないでおいた。
朝が来れば頑なな封印が解けて、もしかしたら話してくれるかもしれない。
朝が来たって、解けないかもしれない。
それならそれで、無理なんて言わないから、たまにこっちを向いてくれればそれで良い。
まことが囁くように歌った唄が、彼女の中でどう降り積もったのかは分からない。
けれどまことが思うよりずっと安らかに見える寝顔に、あぁ少しは役に立てたのだろうかと安堵した。

かち、と針がまた進む。
ずっとこうしていられたら良いなあ、と溶けかけの頭で思ってしまったから、まことだってちゃんと目覚めてはいないのかもしれない。
むしろ今のこの状況さえ、まことの夢だったとしたら。
何の根拠もなくふとそんなことを思って、そんなバカなと一人笑い飛ばした。
ふわりと浮かんでは消え、また浮かび上がり、そして消えていく。
拍動よりは穏やかなテンポで、取り留めもなく意味をなさない思考が流れ続ける。
それらがどこから来てどこへ消えていくのか、彼女なら答えを知っているかもしれない。
おはようの次にそんなことを言ってみようか、そんなことをぼんやり考えていたら、また一つ、針が進んだ。






どうもひるめです。
休みの日って何か理由がないと本当にいつまででも布団から出られないです…よね…(遠い目
最近1時間で書(描)く企画なんてのをTwitter等で見かけることがありまして、勝手に1時間区切って書いてみたところこんなのができ上がりました。
posted by ひるめ | 22:06 | まこ亜美 | comments(0) | trackbacks(0) |
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