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dear
まこ美奈合流前のうさ亜美レイで一つ。
(実はうさ誕に合わせて考え始めたもののずるずる書きあげられず今に至る…という…作品です…)






いつものように、彼女の手からシャープペンシルが放り出された。
もう無理、と机に突っ伏して、きっとそろそろギブアップ。
そこへ、少し休憩しましょうかと亜美が声をかけるのもいつものこと。
いいの、と甘えるように響いた音を、亜美が優しく受け止める。
そんな二人に、レイは仕方ないわね、といつものように息をついた。

「お茶、淹れ直してくるわね」

中間試験が近づく中、切羽詰まったうさぎを救うために開催される勉強会。
いつも通り、といった会話があって、いつも通り、といった空気があって、けれど今日だけはいつも通りと違っていた――それを、うさぎは知らない。

「クッキー、あるけど――」
「食べる!」

勢いの良い返事に、少しは手伝いなさいよなどと言いながら立ち上がる。
振り向きざまにちらりと視線を投げると、戸惑いと心細さがないまぜになったような亜美に出会った。
その様子に、珍しいこともあるわね、と少しだけ苦笑した。
ホント、お勉強以外のことには不器用よね。

「じゃあ……亜美ちゃんにはちょっとだけ手伝ってもらおうかしら」
「えっ」

自分が呼ばれるとは思っていなかったのか、彼女らしくもない間の抜けた声。
いってらっしゃーい、と呑気なうさぎの声を背後に、レイは亜美を連れて部屋を出る。

「レイちゃん……?」

廊下に出るなり、堪らず、といった様子で亜美が口を開いた。
そんな彼女に、もうちょっと待って、と口の動きだけで返事をする。
少し狭い台所は、二人で並ぶといつも以上に狭く感じられたが、今は仕方がない。
念のため引き戸もしっかりと閉めたのを確認して、レイはようやく息をついた。

「亜美ちゃん、緊張しすぎ」
「そんなこと、言われても……」

困り果てたように、頬に手を当てる亜美に、まあでもあの子なら気づかないと思うけど、と適当なフォロー。
これで相手があのうさぎでなければ、何かしら悟られてもおかしくない。
それくらい、言ってしまえば分かりやすく、彼女の仕草はぎこちなかった。

「あっ」

今だって、やかんに水を入れるだけで、こうも手間取っているのだから。
それを受け取って火にかけながら、深呼吸して、と笑いかける。

「まだ何も始まってないじゃない」
「だって……」

こんなこと初めてで、と亜美が頭を抱えるのも分からないでもない。
けれど、そもそもは彼女が言いだしたことなのだ――うさぎに、プレゼントをしたい、なんて。

「落ち着いてやれば大丈夫よ」
「それは、頭では分かってるんだけど」

やっぱり落ち着かなくて、と言いながら、彼女の指が机の上を行き来する。
レイちゃんがいなかったらどうなっていたか、とつぶやく、その首筋は微かに朱が差していた。
それに思わず弛んだレイの頬に気づくほど、今の亜美に余裕はないだろう。
彼女の言葉や仕草はいつだって柔らかくて、どこかくすぐったい。

「亜美ちゃん、何か勘違いしてない?」
「……え?」

きょとん、と傾げた仕草に合わせて、その前髪がはらりとこぼれる。

「……私だって、そんなに器用じゃないってことよ」

――誰かをお祝いするなんて、私だって初めてだもの。

一度、二度、瞬きの後、ようやく彼女の中で、レイの言葉が意味を成したようだった。

「え、と」

亜美が何か言おうとしたのを、ばたばたと駆け寄ってくる足音が遮った。
あのうさぎのことだ、もともとじっと待ってくれるなんて期待していなかった。
きっと数秒後には、台所にたどり着いてしまうだろう。

「ほら、早く戻らないとうさぎが来ちゃうわよ」
「うん、ええと」

後のことは任せておいて、とその背を押して、ウインクを一つ。
小さく聞こえた感謝の言葉は、全部が終わった後で改めて聞かせてもらうことにしよう。
うさぎに出会ったらしい亜美の声を背後に聞きながら、レイは沸騰し始めたやかんをそっと手に取った。






どうもひるめです。
まこ美奈合流前のうさ亜美レイの3人の関係性っていいよなぁと思って書き始めたものの、いつのネタだよ!って感じですねすみません…。
うさぎちゃんに出会ったことで影響を受けて変わっていく内部たちが好きです、可愛い。
posted by ひるめ | 22:48 | その他(セラムン) | comments(0) | trackbacks(0) |
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